なんとなく読書感想文

小説:実用書:漫画=1:1:1。活字を読んでいるだけでそれなりに楽しい、というおめでたい頭の持ち主なのであまり書評的なことはしません。ただの感想文。流行にはついていけてません。

流れ流され

流れ行く者

「守り人」シリーズの番外編的扱いの短編集。

シリーズでの主人公の一人、女用心棒・バルサの幼少期のお話。

 

上橋菜穂子さんが書くお話が大好きです。

まだ全ての作品を読んだわけではないのですが…。

上橋さんが書く小説はファンタジー小説という分類だと思うのですが、つまりは物語の舞台は私たちの世界とは全く違った風習・文化を持つ異世界です。

でも、文を読むとその世界が頭の中で鮮やかに動き出す感じがします。

描写が細かいからでしょうか。

とくに食事の描写が、本当においしそうなんですよね。

上橋さんが文化人類学者だということも関係しているのでしょう。なんか世界観に違和感がないというか、無理がないというか。

それと、大河的なところも私の好みです。

 

先日、「鹿の王」が本屋大賞を受賞していましたね。ぜひ読みたいです。

 

流れ行く者

本書には短編が4話入っています。そのうちの一つが「流れ行く者」、表題作です。

4つの話は全て(いや、最後の話は微妙かな?最後の話は、「結び」のような話なので。)いろいろな意味で流れ、流されて生きている人々に焦点が当たってます。

流れて生きる人々の切なさや、やるせなさが一番出ているのがこの「流れ行く者」だと思います。

 

生きているとさまざまな選択が大なり小なりあり、選択肢はある程度自分自身でつくりだせるもの…でしょう…。(たぶん。笑 そう思いたい。)

でも「どうしてもこうするしかない」ってこともありますよね。

はたから冷静に見れば他の選択肢もあるんですけど、本人は文章化できる理由もなく、突き動かされる。自分で他の選択肢を消している感さえある。

感情によるもの、といえばそうなのかもしれませんけど…。

このような現象?衝動?も「流れる」といえるかもしれませんね。

なにか目に見えないものに、流されるように。

そう思うと、この世の全ての人が流れ流され生きている。のでしょうね。

 

 

 

流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)

流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)

 

 

 

ジグロ(バルサの養父)が好きです。あの重厚感が。笑