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なんとなく読書感想文

小説:実用書:漫画=1:1:1。活字を読んでいるだけでそれなりに楽しい、というおめでたい頭の持ち主なのであまり書評的なことはしません。ただの感想文。流行にはついていけてません。

私もびくびくと生きています

うつくしい人

人の目を気にしすぎて、鬱気味なOL蒔田百合は、ちょっとしたことをきっかけに感情があふれ出し、会社をやめてしまった。

彼女は人生に対する強烈な危機感に動かされ、離島のホテルに四泊することにする。

そこで出会ったのは、挙動不審でノーデリカシーなバーテン坂崎と、謎のドイツ人マティアス。

百合がホテルで過ごす最後の夜、3人はホテルの図書室でマティアスが興味を抱く写真を探しだすことになる。

たくさんの本に触れるうち、百合は心が軽くなっていくのを感じるのであった____。

 

主人公

裏表紙のあらすじには「他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、___」と書いてあり、「うんうん。私もそうだなぁ。」「この主人公になったつもりで読めるのかな」なんて思っていたのですが。

いざ、読んでみると想像以上に百合が「びくびく」していたんです。

これはあくまで主観ですが、もう病的といっていいんじゃないかと思うほどなんですね。

私もひとのことは言えませんが、考えすぎなタイプですね百合さん。

ちょくちょく過去におこった出来事の回想も出てくるのですが、鬱々としていてかなり重いです。

 

そういったわけで読み始めた当初は、「私はここまでびくびくしてないな」とあまり共感できなかったのです・・・。

しかし、読み進めていくうちに「性格上、将来私はこのような心理状態になる可能性が大いにある」と思うようになりました。

百合に未来の自分を重ねたのです。

特にきっかけとなるワードがあったわけではないのですが。笑

たぶん誰しもが百合のような心情に陥る可能性があると思います。

もしかしたら複数回・・・。

事実、物語最後、離島を去るころには百合の心は救われた状態になりますが、作者の西さんは「この子(百合)は絶対、繰り返しますね(笑)。」とおっしゃっています(巻末の『文庫化記念対談 ともさかりえ×西加奈子』)。

 

脇役

脇役といっていいのでしょうか?2人。

魅力的です。

挙動不審なホテルのバーテン坂崎。

母親がいう「間違っていない」人生を求めるドイツ人マティアス。

上でかきませんでしたが、百合も「普通」ということに随分括る人間なんですね。

周囲から浮かないように、社会からはみ出ないように、「普通」であろうと心を砕いているんです。

そんな百合からみると、坂崎とマティアスは「変」な人間なんですよね。

でも、だからこそこの2人とのやりとりに癒されたりするのです。

・・・個人的にはマティアスが可愛くて。笑

日本語が片言だからかも。

 

私は誰かの美しい人だ。私が誰かを、美しいと思っている限り。

お気に入りの文です。

なんだかんだとダラダラかきましたが、とても好きな本でした。

私が買ったのは文庫ですが、大切に手元に置いて読み返したいです。

そうですね、鬱っぽくなったら読みたいです。

あと、ともさかさんと西さんの対談も良かったですよ。

 

最近物語は、女性が書いたものばかり読んでるので、そろそろ意識して男性のものを読んでみようかな。

 

うつくしい人 (幻冬舎文庫)

うつくしい人 (幻冬舎文庫)