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なんとなく読書感想文

小説:実用書:漫画=1:1:1。活字を読んでいるだけでそれなりに楽しい、というおめでたい頭の持ち主なのであまり書評的なことはしません。ただの感想文。流行にはついていけてません。

ぶす:『きりこについて』

この間、飲みの席で容姿について「中の下。下の方。」と言われて、気分が萎えました。笑 自分でわかってはいても、人に言われると微妙な気分になりますよね。 

きりこについて        西加奈子

主人公きりこが堂々たるブサイク、というのに好感が持てます。「平凡な容姿」のヒロインはいても、「ブサイク」なヒロインはなかなかいませんよね。だいたい「私は平凡な容姿」といった体で描かれていても、実は周囲の人間は美しいと思っていたり、成長とともに美しくなったり、ちょっとおしゃれをしてみたら垢抜けて何故か顔の造形まで変わっていたり・・・そんな話が多すぎます。女性がよく読むものは特に。男性向けのものは、「美人」「かわいい」というステータスが無い女性は脇役でもなかなか登場しないような・・・。

 

主人公きりこは、猫のラムセス2世やさまざまな人に出会うことによって、「人は容れ物と中身を合わせてその人である」「経験してきたこと全てでその人になり得る」ということを悟ります。「正しい」考えだと思いますが、実際なかなか難しそうです。世の中が自分だけで完結していれば、その考え通りに生きることも可能でしょうが、社会の中で生きていくとなると、他人をそういった視線で見るのは無理があります。自分の中身さえ完全には把握しきれないのに、他人の中身を把握して評価を下すのには多くの時間が必要となるでしょうし、相当親しい関係にならないとダメでしょう。そうなるとやはり容れ物から人を見ることが多くなるのではないでしょうか。100%ではないにせよ、評価配分の大半は容れ物に頼ることになりそうです。

 

私は中身がひねくれているので、うだうだと屁理屈を捏ねてしまいましたが、元気が出るお話であることは間違いありません。前回読んだ『円卓』もそうでしたが、登場キャラクターの個性が強くて楽しいです。ちょくちょく垣間見える猫の世界も面白い。

 

 

 
猫モフモフしたい。